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執筆者の写真飯室淳史

「ライフサイエンス夜話」バイオカフェレポート


まだGEに勤めていた頃の記事で、NPO法人「くらしとバイオプラザ21」の理事をやっていたことがあり、一般の方にわかりやすくバイオテクノロジーについて語るように依頼されて、博士号を持った社員を連れて説明に行ったときの様子だ。懐かしい。

 

 2014年1月17日、茅場町サン茶房でバイオカフェを開きました。お話はGEヘルスケアの梶原(かじはら)大介さんによる「ライフサイエンス夜話」でした。飯室淳史さんも一緒に話に加わられました。はじめに荒井友美さんによるバイオリンで、往年の映画音楽がなつかしく演奏されました。


話し合い 

は参加者、 → はスピーカーの発言

  • バイオ研究支援企業というのは、一般の人にはあまり知られていないように思うが 一般の人に知らせることに時間はほとんど費やしていない。特別な領域の本で 数千から数万部がアマゾンで売れている。日本のバイオの研究者は数万人なのでよく売れているといえるのではないかと思う(飯室)。

  • 本を出すのは会社の仕事ではないと社内でいわれたりしませんか → 社内でも売り上げに関係ないという声もある。本人がメルマガのクリックも増えないので、連載をやめるといったら50通のフアンレターがきた。そこでアマゾンで本にして自費出版し、フアンレターも本に載せた。文部科学省の指定図書になり、図書館にもいれた。 お客さんである研究者がそのゴールに届くと、ゴールの先で市民生活への寄与がある。研究からストレートに結果がでることの方が珍しい。失敗を隠すよりも失敗を繰り返して大きな成果につながることを知らせたいというのが我が社の考え。日本中が成果追求に邁進すると、すぐにテーマを変えたりすることになる。研究を本当に発展させるために、これから研究を始める人に失敗をめぐるエピソードを伝えたいと思っている。 宣伝広告費にほとんど予算をかけないわが社では、論文の材料と方法の所にわが社の製品名が書かれることが宣伝。次の仕事につながるために、私たちの同じキットを使ってもらいたい。売上の86.5%が口コミで売れているもので、感謝している。お客さんの役に立つことが宣伝だと思う。 細胞夜話を大学の教科書に使ってもらったりしていて、これもわが社のフアンを増やすことにつながる。仕事が楽しいと、いい社員が長く会社にいてくれる(飯室)。

  • 失敗例は人に言いにくいと思うが → GEヘルスケアは失敗に寛容で、失敗を発見と考える。だからいっぱい失敗して、いっぱい発見するほうがいい。失敗を報告すると3-4日で次に進める。準備に時間をかけて一度で成功するより、失敗して、意見交換する方が進みも早く、人が育つ(飯室)。 会社に入ったころは自分をよくみせたかったこともある。ただ、今は自分で考えているより、失敗して他から助言をもらったほうが早く質が高くなると考えている(梶原)。

  • エピソードの裏をとっていて、文献を取り寄せ、関係者にヒヤリングをしているので、読んでいて感動した。

  • バイオ研究支援企業は、きれいなデータを出せるような機器を用意してくれる。ファルマシアの赤いカラムにお世話になった。本をみつけたのは2010年だったが、きれいなデータがとれるように支援企業が命をかけているエネルギーを感じた → お客様のためになることであれば積極的に実行する文化がある(飯室)。

  • 社内に失敗事例報告会はあるのか → 社内のChatterに1日300件くらい、お客さん苦情や失敗や成功の報告がのり、社長以下全員、200人が閲覧している。 初めはいいことを書きたくて失敗を書きにくかったが、最近は、お客様の困っていることや失敗をすぐに伝えて、詳しい人を見つけてみんなで解決するような流れが出来た。問題解決が5倍くらい早くなった(飯室)。


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