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  • 執筆者の写真飯室淳史

【開催レポート】マーケティングで経営を変える。

(取材・執筆 ライター長田由香)


かねてから「マーケティングは経営の最高機能」が持論の濱口。心強い味方(=講演者4名)の皆さんに支えられ、ついに『Bigbeat LIVE』が開催されました。マーケティングの銘シェフたちによるスペシャリテのような、ひと口で何度でも美味しく味わい深い内容。「マーケティングで経営を変える」というテーマに沿って行われた、イベントのすべてをレポートします。


マーケティングで経営を変える。顧客理解が最重要

トリを飾るのは、B2Bhack.com主催の飯室淳史さん。営業とマーケティング両方のトップマネジメントを歴任したGEヘルスケア・ライフサイエンス社では、全世界における同社のデジタルマーケティング戦略を日本から統括した経験もお持ちの、最強マーケッターです。


特筆すべきは、デジタルは単なるツールでしかない、という話。あくまでも文化>戦略>ツール。実は大のツール好きという飯室さん(「サイボウズさんはツールではなく“チームワーク”」と注釈)。デジタルツールは使う人の技量によって有用かどうかが違ってくるもの。最高の包丁を買ったからと言って料理がうまくなるわけではなく、いいカメラを買えばプロカメラマンになれるわけでもない。まともなマーケティング戦略を持たずして自動化しようとしても無意味なのに、MA(マーケティングオートメーション)に振り回されるのはナンセンス、と飯室さん。

またこの日の話で最大の論点となったのは、顧客理解の大切さでした。自分たちを評価するのは上司でも経営者でもなく、お客様。ものの善し悪しを判断するのもお客様。「したがって、売り手目線から顧客目線に切り替える必要があります。自社製品より大事なのはお客様。お客様がまだ気づいていない課題や、ゴールと現状とのギャップを見つけ、自らを破壊してでも解決しないとイノベーションとは言えません。100億投資したというサイボウズさんのクラウドシフトがまさにそう。戦略の立案とは、顧客の成功を定義し、成功体験をデザインして実現することです」(飯室さん)


設計した成功体験を実現するのに必要なのは、まず文化を変えること。文化は「気づいた人が変えるべき」と飯室さん。コミュニケーションを取らないと文化は変わらないし、その場合のコミュニケーションは「自分が何をどうしたか」ではなく、「受け手がどう受け止めたか」がすべて。


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