
飯室淳史
コンセプトマップの描き方
はじめに
この記事は、信頼性の高い情報源から得た情報を掲載しています。信頼できるデータや情報を掲載するために合理的な努力をしてはいますが、参考にしたすべての資料の有効性やその使用による結果について責任を負うことはできません。
本記事にて引用されたすべての資料の著作権者を追跡することを試みましたが、このような形で掲載することの許可が得られなかった場合、著作権者に謝罪し、掲載を撤回します。もし、必要な著作権表示がなされていないことにお気づきの場合は、お手数ですが、その旨をご連絡いただけますようお願いします。 (連絡先:飯室 淳史 メールアドレス : atsu@b2bhack.com)
< 目 次 >
コンセプトマップとは
CmapToolsの使い方
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コンセプトマップ(概念地図)とは 目次に戻る▶▶
コンセプトマップは、知識を表現するためのツールとして広く知られ使われていますが、まだ日本では教育分野において、主に生徒の科学学習の理解度を評価するために使われているだけで、ビジネス分野においてはほとんど活用されていません。コンセプトマップ先進国では、教育設計者、エンジニア、テクニカルライター、マーケティング、ナレッジアーキテクトなどが、個人と組織の知識を整理し構造化することで、ナレッジマネジメントから戦略立案やプレゼンテーション、そして「問題解決ツール」として幅広くビジネスでも利用されています。
ここでは、コンセプトマップをビジネスで利用することを推進するために、専用ソフトウエアCmapToolsの使い方を足がかりに、解説していくことにします。
コンセプトマップ(概念地図)の概要をお知りになりたい方は、とりあえず日本語版wikiがお勧め。
参考資料:
Learning How to Learn, J.D. Novak(著), 出版社 :Cambridge University Press; 第1版 (1984/9/28):kindle版
Learning, Creating, and Using Knowledge: Concept Maps as Facilitative Tools in Schools and Corporations, J.D. Novak(著), 出版社 : Routledge; 第2版 (2010/2/2):kindle版
Applied Concept Mapping: Capturing, Analyzing, and Organizing Knowledge, J.D. Novak(編集), 出版社 : CRC Press; 第1版 (2011/2/7):kindle版
Design Thinking Business Analysis: Business Concept Mapping Applied, Thomas Frisendal (著), 出版社 : Springer; 第2012版 (2012/9/26):kindle版
La gestión del conocimiento en las organizaciones, Virgilio Hernández Forte(著), 出版社 :Marcombo (2016/6/6):Adobe Digital Editions版
子どもが学ぶ新しい学習法―概念地図法によるメタ学習, J.D. Novak(著), 出版社 : 東洋館出版社 (1992/9/1):絶版(ペーパーバックのみ)
コンセプトマップ活用ガイド―マップでわかる!子どもの学びと教師のサポート, 福岡 敏行(著), 出版社 : 東洋館出版社 (2002/8/1):絶版(ペーパーバックのみ)
IHMC CmapTools Documentation & Support, フロリダ人間機械認識研究所(IHMC:Florida Institute for Human and Machine Cognition)Webサイト
CmapToolsのインストール 目次に戻る▶▶
Windows版インストール解説動画(7分)
Mac版インストール解説動画(5分)
https://cmap.ihmc.us/products/ へ移動して、自分が使うシステム(WindowsかMacか)を選んでダウンロードして、画面の説明に従って、インストールします。

英語がわかりづらい方は、ブラウザーをChromeを使い、マウス右クリックでポップアップメニューから「日本語に翻訳」を選ぶと画面全体が翻訳表示されます。

すべて日本語で表示される

WindowsかMacにインストールされたい方は、画面一番左の「CmapToolsをダウンロードする」をクリックします。
次に説明する「Cmapクラウドアカウント」を取得すると、ソフトウエアをインストールしなくとも、Web上でコンセプトマップを作成することができるようになります。
システム要求は以下の通りです
CmapToolsv6以降はJava7で実行されるため(Javaはインストールの一部として含まれています)、要件はJava7を実行する機能です。
ウィンドウズ:
Windows 10、8(デスクトップ)、Windows 7、Windows Vista SP2、WindowsXP。
OS X:
Mac OS X 10.7(Lion)以降を実行しているIntelベースのMac。
Linux:
Oracle Linux 5.5以降、Oracle Linux 6.x(32ビット)、6.x(64ビット)*、Red Hat Enterprise Linux 5.5以降、6.x(32ビット)、6.x(64ビット) *、Ubuntu Linux 10.04以降、Suse Linux Enterprise Server 10 SP2、11.x * Oracleによって認定されているのは64ビットJavaVMのみです。
自分のシステムで動作することが確認できたら必要事項を記入して、システムに対応する最新バージョンをダウンロードします。

寄付は任意ですから、まずは登録を済ませてしまいましょう(上記の画面はChromeでの翻訳表示)。登録が完了すると、ダウンロードが可能になります。
Cmapクラウドアカウントの取得 目次に戻る▶▶
注意事項)まずCmapToolsの操作に慣れたい方は、急いでクラウドアカウントを取得する必要はありません。以下の場合はクラウドアカウント取得が必要です。
CMapToolsソフトウエアをローカルコンピュータにインストールしないで、Web上でコンセプトマップを作成したい
複数のコンピュータを利用してCmapをやりとりしたい
iPadとCmapをやりとりしたい(iPadのみクラウド利用に課金あり)
あとで説明する「共有Cmapサーバー」を利用して、他の人が作成したCmapをダウンロードしたい
クラウドを使う必要がない方は、スキップして先へ進みましょう。
クラウドアカウント(無償)を取得されたい方は、以下のサイトへアクセスしてください。
以下はChromeでの日本語翻訳表示の画面を掲載しています。

Chromeブラウザで日本語に翻訳表示すると、赤いボタンが「アカウントを作成する」と表示されるので、これをクリックします。
登録画面が表示されますので、必要事項を記入します(このページも翻訳表示に対応しています)。

青いボタンの「アカウントを作成する」をクリックすると完了です。しばらくすると、no-reply@cmaptools.com から「Cmap Cloud account created, please activate」と言うタイトルのメールが届きます。

「このメールは、お客様のアカウントが作成されたことを確認するためのものです。Cmapの機能を十分に活用するためには、まずアカウントを有効にする必要があります。
以下のサイトにアクセスしてください。
https: // cmapcloud.ihmc.us:..../users..../activateAccount..........
謹んでお願い申し上げます。
CmapToolsサポート」
というメールに記載されているリンクをクリックして、アカウントを有効にする必要があります。
アカウントが有効になると、また確認のメール「このメールは、お客様のアカウントが有効になったことを確認するためのものです。」

が届いて、クラウドアカウントの作成が完了しますので、すぐに利用できます。
Web上でコンセプトマップを作成する 目次に戻る▶▶
クラウドでCmapToolsを使用して、Webブラウザーを使用してCmapを構築します。
最新のブラウザ(Chrome、Firefox、Safari、Internet Explorer)で動作します
CmapToolsと完全に互換性があります
Cmaps in the Cloudに保存したCmapとリソースにアクセスできます
CmapsとリソースはCmapTools for iPadと同期できます
仲間(Cmapper)を招待してクラウドフォルダーを共有することができます
Cmapクラウド へ移動します
(Chromeの日本語翻訳表示をしています)

青いボタン「Cmapの作成を開始します」をクリックすると、ログイン画面が現れますから、登録したIDとパスワードを入力してログインします。

ログインすると、
https://cmapcloud.ihmc.us/cmaps/myCmaps.html
が表示されて、Web上でCmapToolsと同様にコンセプトマップを作成できるようになります。(Chromeの日本語翻訳表示をしています)

利用方法は、「Cmapクラウドに関するFAQ」へアクセスして、Chromeで日本語翻訳表示をしてご確認願います。
CmapToolsの使い方 目次に戻る▶▶
<目次>
Cmapはコンセプト・マップ(Concept Map)の略称で、ここではCmapToolsソフト上で作成したコンセプト・マップが描かれたファイルのことを意味します。
Cmapの環境設定 目次に戻る▶▶
⚠︎注意⚠︎ この操作を行った場合は、CmapTools を再起動する必要があります。
言語を日本語に変更する
インストール直後は、メニューもメッセージもすべて英語表記のはずですから、言語設定を日本語へ変更する必要があります。
CmapToolsを起動すると、Views -CmapTools と言う基本画面が表示されます。

Views - CmapToolsの上部のメニューバーから、>Edit >Preferences...を選択します。

Edit Preferences画面が表れ、左のサイドウィンドウに9つのタブが表示されます。一番上のGeneralタブを選択し、Launguage ボックスのプルダウンメニュー English を開きます。

プルダウンメニューから 日本語 を選択します。

OK をクリックして Preferences画面を閉じます。

Changes in the Language と言う警告パネルが表れ「メッセージとメニューなどを日本語で表示知るにはCmapToolsの再起動が必要です」と促しますのでOKしておきます。

上部のメニューバーから、>CmapTools >Quit "CmapTools" で終了します。

CmapToolsが終了したら、再び再起動してください。
基本画面- CmapTools が表示され、画面表記、メニュー、メッセージのすべてが日本語に切り替わっていることを確認してください。

日本語表記になってからの環境設定を確認します。
基本画面 - CmapTools でのメニューバーから >編集 >環境設定 を開きます。

環境設定の編集が表れ、左のサイドウィンドウに9つのタブがリストされます。
一般
ユーザー情報
Cloud Account
スペルチェック
プレース(サーバー)
プレースのディレクトリ
ディスカッションスレッド
Cmap Editing
プロキシ設定

まだCmapToolsの操作方法を覚える前の段階では、言語設定以外に調整する必要がありませんので、環境設定はここでいったん終了します。
基本画面 目次に戻る▶▶
基本画面は、CmapTools の整理の中心となるウィンドウです。ここから、コンピュータのハードディスクやCmapコミュニティで共有されているリモートサーバ上のフォルダにあるCmapやリソース(Cmapファイル以外のファイルのことで、画像ファイル、テキストファイルなどCmapToolsソフトウエアが扱えるファイルのことを指します)を整理することができます。

基本画面には、ウィンドウの左側に6つのメインボタンがあります。

6つのメインボタン
これらのボタンをクリックすると、ウィンドウの右側に Cmap とリソースの異なる場所が表示されます。
CmapToolsの起動時には、「マイCmap」の場所が選択されます。

この場所には、ローカルコンピュータにあるすべての Cmap とリソースが含まれます。ローカルコンピュータに保存したCmapは、他のコンピュータやiPadでログインしても見ることはできません。
ここでCmapを作成し、後で「共有Cmapプレース内」に移動させることができます。
基本画面の下部にあるツリービューとサムネイルを左クリックすると、ファイルのアイコン表示(サムネイル)と、ファイル名だけのリスト表示(ツリービュー)が切り替わります。

Cmaps in the Cloudでは、クラウド・アカウントでログインしたユーザーが、自分だけがアクセスできるクラウド上のスペースにCmapとリソースを保存することができます。ローカルコンピュータ内のマイCmapに保管した場合は、そのコンピュータでしかアクセスができませんが、クラウドに保管することで、異なるコンピュータやiPadからでも、ログインすれば自由にアクセスが可能になります。Cmaps in the Cloudを使うためには、クラウドアカウントを取得する必要があります。

共有Cmapプレース内では、リモートの Cmap サーバー に保存され、世界中の他の CmapTools ユーザーが簡単に表示および編集できます。ここに保存されたCmapは、Webページとしても自動的に生成され、Webブラウザを持っている人なら誰でも見ることができます。世界中のCmapユーザーに見てもらいたいCmapは、ここに保存されます。IHMC Public Cmaps(3)サーバー内のフォルダUsers(create your own folder…)には、「meDNA」と言う名前のフォルダーがあり、飯室が作ったCamapを公開しており、誰でも自由にダウンロードが可能です。

Cmap とリソースは、お気に入りリストに追加できます。お気に入りボタンをクリックすると、このリストの内容が表示されます。

マイCmapやCmaps in the Cloudのウィンドウの右側でファイルを選択し、「編集」→「お気に入りに追加」をクリックすると、Cmapとリソースをお気に入りリストに追加できます。

あるいは、選択したファイルの上で右クリックをしてポップアップメニューから「お気に入りに追加」をクリックしても同様に追加ができます。

履歴ボタンは、あなたが閲覧または編集したCmapのログを表示します。アクセス日時(年月日時分秒)に、どの場所にある、何という名前のリソースにアクセスしたかの詳細な記録を見ることができます。

履歴は、履歴リストの右上にあるクリアボタンをクリックすることで消去できます。
基本画面の下部には、2つの機能要素があります。
ゴミ箱(削除)にファイルをドラッグするだけで、すぐに削除することができます。一度ゴミ箱にドラッグしたものは元に戻せませんのでご注意ください。あるいは削除したいファイルを左クリックして選択した後、右クリックでポップアップメニューを表示させて「削除」を選択するか、画面右下のゴミ箱アイコンを左クリックすることで削除することができます。いずれの場合も、「削除の確認」ウィンドウが表示されて、削除しても良いかどうかを尋ねてきますので、はい、を左クリックすれば、削除ができます。

アイコンのみのチェックボックスは、6つのメインボタン(お気に入り、履歴…)から文字を非表示して、小さなアイコンだけの表示に変更することで、右側のコンテンツ表示のためのスペースを確保します。アイコンボタンに慣れていて、それらが何であるかを思い出させる必要がない場合に使用します。

Cmapの作成 目次に戻る▶▶
基本画面 - CmapToolsウィンドウから、「ファイル」>「新規Cmap」の順に選択します。(キーボードショートカットのCtrl+nも使用できます)。

Untitled 1 "という名前の新しいCmapが開きます。

概念の追加 目次に戻る▶▶
Cmapが開いている状態で
マウスの左ボタンを使って、Cmap上の任意の場所をダブルクリックすると、疑問符???のついた図形が表示されます。

代わりに、Cmap上の任意の場所を右クリックして、表示されるメニューから「新規コンセプト」を選択することもできます。

疑問符???の代わりに概念を入力してください。疑問符???の部分にマウスカーソルを移動してダブルクリックすると、疑問符が反転してテキストを入力できるようになります。
(ここでは、事例として「植物」と入力した画面を表示しています)
入力し終えたら、図形の外側にあるCmapの白い部分(空白部分)のどこかを左クリックして、入力を確定します。これで、図形が新しい概念になりました。このCmapToolsソフトでは、概念のことを、概念の英語であるConceptをカタカナ読みをした「コンセプト」と表記しています。

命題の作成 目次に戻る▶▶
1つの概念から命題を作成する
Cmapを開いた状態で
新しい命題を作成したい概念を左クリックします。

概念の上部にある左右に二股の矢印を左クリックしてドラッグします。マウスボタンを押し続けると、選択した概念からの矢印がマウスポインタに着いて回ることに気付きます。矢印がマウスポインターに着いて回るようにするには、概念の矢印の上で一度左クリックし、ボタンを離してからマウスを動かす方法もあります。

概念の矢印からマウスをドラッグすることを選択した場合は、矢印を概念から少し離れたところまでドラッグしてからマウスを離します。(概念の矢印上で一度左クリックした場合は、矢印がマウスポインターを追って概念から離れたところで、もう一度左クリックします)。新しい概念が作成され、2つの概念(概念には周りを囲う線があります)をつなぐコネクタ(線)の中間にリンク語句を記入する長方形(周りを囲う線がありません)も作成されます。このときウィンドウには 概念――リンク語句――概念 が命題の基本形である「2つ以上の概念がつながった認知構造の意味のある文章」として表現されてい